網膜芽細胞腫~トレパパのブログ~

両眼性の網膜芽細胞腫と診断された娘のこと

7度目の局所治療

トレパパです。少し久しぶりの更新です!

7度目の局所治療が終わったので、経緯の記録として書いておきたいと思います。

赤ちゃんの写真

眼動注とレーザー

眼動注とレーザーを行いました。
わが子の場合、眼動注がベースで播種している部分にレーザーというのがお決まりです。

前回、治療の効果がでてきていると感じる結果でしたが、今回の結果は更に良い物となりました!!

実のところ左目の経過は順調なのですが、右目は腫瘍や石灰化した腫瘍の位置や大きさも悪く、局所治療をしていく中で多くの播種も見つかっていました。なので、温存できる可能性はかなり低くなっていたように思います。

そもそも右目は国際分類DかEということで、初期段階から怪しくはありました(;^ω^)視神経に被るかたちで腫瘍があったので、ほぼ見えていないだろうとも言われていました。

ところがなんと!今回その視神経に被っていた腫瘍が小さくなったのか、視神経が見えてきそうになっていたのです!
手術後に見せてもらえる眼底図も、素人が見てもわかるぐらいでした(:_;)更に播種の数も大幅に減っていたのです!

初期の頃から摘出という言葉を何度も聞いていましたが、ここにきて奇跡が起こりつつあります・・。手の施しようが無い感じでしたが、次の手術でアイソトープをする手があるとのこと。

もちろん、良い結果だったからと言って安心している場合ではありません。赤ちゃんなので視力検査もできないし、まだまだ道半ばです。

今日は素直に喜んで、明日からはまた気を引き締めてアイソトープについても学んでいこうと思います!

 

 

 

 

網膜芽細胞腫と「きょうだい児」

トレパパです。

今日は「きょうだい児」について書きたいと思います。

姉妹の写真

きょうだい児とは

病気や障害のある兄弟姉妹を持つ子どものことを「きょうだい児」といいます。

うちを例にだすと、0歳の娘が病気で上には2年生のお姉ちゃんがいます。お姉ちゃんが「きょうだい児」にあたるのですが、抱えやすい悩みとして以下のものがあります。

・親が妹のことで大変だから聞き分けの良い子を演じる。

・親に構ってもらう機会が少なくなり、寂しさを感じる。

・親が妹を優先的にしすぎていることに不満を感じる。

このように、身体的にストレスをため込んでしまうことがあるそうです。

 

また、お姉ちゃんが成長するにつれて悩みの変化もあるそうです。

・病気や障害のある兄弟姉妹を恥ずかしいと思う。

・そう思ってしまうことの罪悪感で、自分を責めてしまう。

・将来の不安を感じる。

・就職や結婚など、人生の要所要所で消極的になってしまう。
※自分が実家から出てからの家族に対する心配など。

 

我が家の場合

お姉ちゃんは妹が大好きで、上記のような心配はしていませんでした。普段も別に変った様子もなく、ママと妹が入院するときも笑顔で送り出していました。

丸3日、ママがいなくなります。
1日目は私が仕事を休み、お姉ちゃんをみます。2日目はお姉ちゃんを学校に送り出してから、私は仕事に向かいます。そして、学校から帰って来たら家でおばあちゃんが待っているので、おばあちゃんちへ泊りにいきます。
3日目、私の仕事が終わり次第、おばあちゃんちへ迎えに行く。翌日は新幹線の駅までママと妹を迎えに行く。
入院期間はずっとこの感じでやってきました。

しかし、最近変化がありました。お姉ちゃんのおばあちゃんに対する当たりが強くなったんです。
わがままというか、理不尽に怒り出したり・・・やっぱり実は寂しいんじゃないかという話になっていたのですが、まさにその通りでした(^^;)

私は仕事でいなかったのですが、夜寝るときに妹が早く寝ついたため、ママがお姉ちゃんをギュッと抱きしめたら大号泣したそうです。
本人も「どうしたら涙が止まるのかわからへん。」と言いながらボロボロ泣いていたそうです(T_T)

入院生活が始まったのが、お姉ちゃんが1年生のとき。1年生でママと離れ離れになるってよく考えたら寂しいに決まってますよね。自分が1年生のときを考えたら、絶対寂しいよなと気づきました。

気づくのが遅すぎましたが、前回の入院から私が仕事を休んで、丸3日間一緒にいることにしました!
ママの代わりとまではいきませんが、嬉しいことにまだ2番手ぐらいで好かれている(はず)ので、まだ寂しさはマシになるかと(笑)。
しばらくは、このスタイルで行こうと思います。

読者のかたで、「きょうだい児について、うちではこんなことに気をつけてるよ~!」みたいな話があれば、また教えてください!

 

 

小児慢性特定疾病と特別自動扶養手当

トレパパです。

今回は、子供が網膜芽細胞腫と診断されてから利用させていただいた国の制度を二つ紹介したいと思います。どちらも自治体への申請が必要になります。

助成制度

小児慢性特定疾病医療費制度

網膜芽細胞腫は、小児慢性特性疾病の対象とされる病気です。そのため、この制度が利用できます。

小児慢性特定疾病にかかっている子供について、その家庭の医療費の負担を減らすため、医療費の自己負担の一部を助成する制度です。

対象となる条件(年齢など)や、申請方法などは都道府県や自治体によって違うかもしれないので、ご自身の住んでいる地域で検索してみるほうが良いと思います。

医療助成の内容

・窓口での自己負担額が3割負担から2割負担になる。

・1ヵ月の自己負担上限額が設けられる。

詳しい説明⇒小児慢性特定疾病情報センター

特別自動扶養手当

障害をもつ20歳未満の児童を持つ家庭に対する手当です。障害の程度により1級か2級に認定され、支給額が異なります。

手当月額は1級だと53,700円、2級だと35,760円です。

所得制限があったり、症状によって審査が通るか通らないかはわからないそうですが、一度申請してみて良いのではないかと思います。

国の制度で医療費はかなり抑えられると思いますが、入院する病院などが遠方の場合は交通費などもかかってきます。
我が家も審査を通ったばかりですが、毎月の交通費になるのでかなり有難いです(T_T)

詳しい説明⇒東京都心身障碍者福祉センター

 

その他、国の制度ではありませんが小児がんに対しての助成を行っている団体もあります。「がんの子供を守る会」「ゴールドリボン・ネットワーク」など。

サポートが必要なかたはぜひ色々と調べてみてください。

私も子供の病気が落ち着いたら、サポートする側への協力もしていきたいと考えています。

というわけで、今回は網膜芽細胞腫と診断されてから利用させていただいた助成について書かせていただきました。
知っているかたも多い内容だったと思いますが、誰かのためになれば幸いです。

 

網膜芽細胞腫の診断からこれまで

トレパパです。

前回のブログはこちらです⇒網膜芽細胞腫と眼動注について

さて、2022年の9月に網膜芽細胞腫と診断されてから、はや9ヵ月が経ちました。今回のブログでは、局所治療を開始してから、2023年6月5日現在までの治療について書いていこうと思います。

赤ちゃんの写真

網膜芽細胞腫の局所治療

局所治療が始まって以来、月に1度の手術を行います。眼動脈注入療法(以下、眼動注)の効果的に考えて、4週に1度くらいのペースがそうです。

入院の前日に事前検査を行い、前回の治療成果を聞いたり、体調チェックを行います。まあ、この段階ではしっかり腫瘍を確認はできないので「薬が効いてそうですね。」という感じです。

翌日に全身麻酔を行い、手術のときにしっかり確認をしてくれます。手術後に前回の治療の成果、現在の状況を担当医から聞くことができます。

娘の場合は「劇的に良くはなっていない。けど悪くもなっていない。薬が効くことは効いている。」という状態が続いていました。

少しづつ良くなっているんだろうけど、いつまでかかるのかという不安も抱えます。

しかし!最近、6回目の治療で変化が起きました!
もともと小さかった左目の腫瘍は、かなり勢いがなくなり縮小していました!

右目に関しては、播種(種をまいた様に腫瘍が広がること)が起きていて数が多いらしいです。ただ、こちらにもかなり効果があったらしく減っていたそうです!

今後について

前回の治療までは、視力があまり望めない右目を摘出し、左目の薬の量を増やすということも考えなければ・・という状態でした。

今回の結果でその選択肢ではなく、左目の症状が落ち着いたあとに右目をどうするかという話になりました。
治療が先に進んだ気がして、良い結果だったと思っています。

視力があまり望めない右目に手術をしていくのか。体の負担やらなんやら様々なメリット・デメリットを考えていかなければ・・。

今はもちろん残す方向で考えています!
とりあえず、今回の結果が嬉しかった!家族で、前向きに毎日をすごしていこうと思います(´▽`)

 

網膜芽細胞腫の基本的な情報はこちら⇒がん情報サービス

前回のブログはこちらです⇒網膜芽細胞腫と眼動注について

 

網膜芽細胞腫に対する眼動注について

トレパパです。
前回のブログはこちらから。⇒網膜芽細胞腫の局所治療に入るまで

いよいよ局所治療に入ることが決まりましたが、手術日まで日が空くのでVEC全身化学療法をもう一度受けることが決まりました。

眼動脈注入療法までの経緯

VEC全身化学療法3クール目

できれば最低限の2クールにしたかった化学療法ですが、日が空くのも怖いので仕方ありません。3クールで済んだんだと、ポジティブに考えることにしました。

3回目ともなれば、入院の不安はかなり軽減されていました。まだ何もわからない赤ちゃんだったので、逆に良かったのかもしれません。物心がついている子供さんは、寂しくて泣いている子もいました(T_T)

とにもかくにも、3回目も副作用なく、無事に退院できました。

眼動脈注入療法

いよいよ、国立がん研究センター(以下、国がん)で局所治療が始まりました。
局所療法にもいろいろありますが、私の娘は眼動脈注入療法(以下、眼動注)を行いました。

眼動注とは、眼球に流れる眼動脈にカテーテルを挿入して抗がん剤を少量注入する方法です。眼球には十分な量の抗がん剤が流れ、全身にはごくわずかな抗がん剤しか流れないため、全身の副作用を避けることができるという治療法です。

眼動注射で使用する抗がん剤メルファランといいます。
メルファランの注入は、過去の治療例から全身への影響が少なく、入院期間が短縮され安全な眼球保存療法であるとされています。

局所治療の種類

眼動注以外の局所治療を記載します⇩

・レーザー治療

・冷凍凝固

・硝子体注入

放射線治療

抜けてるものがあるかもしれませんが、大体こんな感じでした。

腫瘍の大きさや進行具合、腫瘍の位置などの関係から、治療法が選択されます。もちろん医師と相談しながら行っていくわけですが、医師の知識や経験に任せることがほとんどだと思います。

私の娘は現在、6回の手術を終えていますが全て眼動注を行っています。またレーザー治療を組み合わせてくれているようです。

娘の手術は全て妻が付き添ってくれており、私は上の娘と過ごしているため治療に関しては妻から聞くだけでどんな状況で行われているかは、想像の域をでません。

でも話を聞いていると、付き添われているかたにはリスペクトしかありません。。

私は現場にいないのに、手術日には胸も胃も痛くなって、ずっとそわそわしています。付き添われているかたの精神的不安は、比べものにならないんだろうと思います。

 

次回のブログでは、手術を行った結果などを書かせていただきます <(_ _)>

 

網膜芽細胞腫の基本的な情報はこちら⇒がん情報サービス

前回のブログについてはこちら⇒網膜芽細胞腫の局所治療に入るまで

 

網膜芽細胞腫の局所治療に入るまで

トレパパです。
前回のブログはこちらです。⇒網膜芽細胞腫とVEC全身化学療法について

現在、網膜芽細胞腫の治療はVEC全身化学療法を行い、腫瘍が小さくなったところで局所治療というものに入ります。
局所治療に関しては、また次のブログで説明したいと思います。

赤ちゃんの写真

局所治療までの経緯

VEC全身化学療法|1クール目

いよいよ治療が始まりました。生後1ヵ月の赤ちゃんが入院し、抗がん剤治療を行うなんて不安しかありません。

ただでさえ不安なのに、コロナ禍のせいで付き添い入院ができないとのことでタイミングを恨んだことを覚えています。

月曜日から入院開始で、火曜日と水曜日に抗がん剤を投与します。調子が良ければ木曜日に退院という話でした。

付き添いができず、お見舞いに行ける時間も1日10分とか20分という縛りだったので本当に不安で不安でたまりませんでした(;_;)

結果、木曜日には退院できて副作用もこれといってなく安心しました。

VEC全身化学療法|2クール目

3週間あけて、2クール目に入ります。抗がん剤治療の開始後は、免疫機能が低下していきます。免疫機能が徐々に低下していき、2週間後くらいにピークを迎え、3週間くらいかけて回復していくそうです。

病院に話を聞く限り、免疫機能に関してそこまで神経質にならなくても大丈夫だと言われましたが、あまり外出せず人混みを避けたりと気を遣いながら生活をしました。

2クール目も前回と同じスケジュールで、とくにこれといった副作用もなく無事に退院できました。1クール目の時と比べると、不安は半減です。

国立がん研究センターで再検査

VECを2クール終えて、国がんで再検査です。先ほど記述したように、免疫が下がっている時期なので外出は控えたかったのですが、東京まで新幹線に乗って行かないといけません(._.)

付き添い入院ができなかったことでコロナ禍を恨みましたが、コロナ禍のおかげで新幹線の混み具合は比較的マシでした。
コロナが5類相当になった今では、新幹線の駅も混み混みですが(^^;)

検査では、腫瘍はかなり小さくなっているとのことでした!とくに左目に関してはかなり小さくなっていました。

このまま局所治療に入る流れだったのですが、入院できる日にちまで空いてしまうのでVECをもう一回行うことになりました。

結果、VEC全身化学療法を3クール行い、局所療法に入っていくことになります。

 

網膜芽細胞腫の基本的な情報はこちら⇒がん情報サービス

前回のブログについてはこちら⇒網膜芽細胞腫とVEC全身化学療法について

VEC全身化学療法について

トレパパです。

前回の続きを書いていきたいと思います。⇒網膜芽細胞腫の治療に入るまで

赤ちゃんの写真

VEC全身化学療法を行うまで

MRI検査

さて、国立がん研究センター(以下、国がん)で今後の治療方針が決まり、地元へ戻ってきました。国がんが遠方のため、国がんと地元の大きな病院が連携をとり、治療をしてくれるそうです。

地元の大きな病院で、VEC全身化学療法を行う前にMRIを撮影しました。
このMRIは、目の腫瘍が浸潤(がんが染み出るように広がっていくこと)していないかを確認するためでした。

正直、自分の人生でこんなにも大きな出来事は今までなかったです。なんとかなってきたもので、網膜芽細胞腫の疑いがでたときも、今回も勘違いで終わるんだろうと思っている部分もありました。
だからこそ、このMRIは恐怖でした。もし、万が一、浸潤していたらどうしよう・・。

検査の結果は、浸潤はしていないとのことでした。
良かったと心の底から嬉しかったです(T_T)結果を聞いたあと、妻と少し高めのランチをしてお祝いしました(笑)。

まだ治療も始まっていないのに・・。それだけ安心したということなんだと思います。

VEC全身化学療法とは

VEC全身化学療法とは、簡単にいうと抗がん剤治療のことです。3種類の抗がん剤を組み合わせた治療法であり、VECとは各抗がん剤の頭文字です。

V : ビンクリスチン
E:エトポシド
C:カルボプラチン

3種類とも、網膜芽細胞腫に対しての化学療法ではお決まりのものです。昔から使われている抗がん剤です。

話を聞いてびっくりしたことは、大人に比べて子供には多くの量の抗がん剤が使えるということです(゚Д゚;)
子供はダメージから立ち直る再生能力が高いため、副作用も大人と比べて少ないということです。

研究で、この組み合わせの反応が良かったことから、ずっと使われています。逆をいうと、この組み合わせ以降、研究がなかなか進んでいないそうです。

抗がん剤治療の不安

抗がん剤は効かないとか、アメリカでは使われていない、みたいな話を聞いたことがある人も多いと思います。ネットやSNSを見ていると、陰謀論と言われているものも山ほどあります・・。

陰謀論が強めなものは置いておいて、アメリカでは使われていないという情報については、アメリカでも使われています。日本では未承認の抗がん剤も多々あります。

また、抗がん剤が効かないと言われる件ですが、これは抗がん剤白血病のために開発されたことに由来します。
白血病は血液がんです。そのため血液がん以外のものに効果が薄かったりしたそうです。

ちなみに、網膜芽細胞腫は血液がんに分類されます。なので、網膜芽細胞腫と診断された場合は、まずVEC全身化学療法で腫瘍を小さくするというのが現在の治療の流れになります。
また詳しくは次のブログで書こうと思いますが、娘もVEC全身化学療法の効果がかなりありました!

 

網膜芽細胞腫の基本的な情報はこちら⇒がん情報サービス

前回のブログについてはこちら⇒網膜芽細胞腫の治療に入るまで