網膜芽細胞腫の治療は、患児だけでなく家族全体に大きな影響を与えます。私たち家族も、次女の治療を通じて多くの困難に直面しましたが、同時に家族の絆を深める貴重な機会にもなりました。特に、きょうだいへのサポートの重要性を痛感しました。この経験を通じて学んだことを共有したいと思います。
治療中の家族の状況
次女の治療が始まってから、妻と次女は月に1回、東京の国立がんセンターで2泊3日の入院を繰り返していました。さらに、経過観察に入る前の最後の入院では、神戸の陽子線センターで1ヶ月半の長期入院となりました。
この間、小学3年生の長女に大きな変化が現れました。元気がなくなり、学校に行けなくなったのです。おそらく、治療が始まってからの寂しさが積み重なったことが原因だったのではないかと考えています。長女は、いわゆる「きょうだいじ」になってしまったのだと思います。
きょうだいへのサポート
どうすればよかったのか、正解はわかりません。しかし、私たちが実践したことをいくつか紹介します:
- 父親の役割:私は仕事を可能な限り制限し、長女と過ごす時間を作るよう心がけました。
- コミュニケーションの重視:長女の気持ちを聞く時間を定期的に設けました。
- 家族の時間の確保:長期入院中も、週末は家に帰れるようになったことで、家族全員で過ごす時間を作りました。
- 長女の興味や活動の支援:長女の好きなことや趣味を一緒に楽しむ時間を作りました。
よく考えれば、当たり前のことばかりかもしれません。しかし、日常だとこんなことも忘れて過ごしてしまっている気もします。
回復への道のり
徐々に長女は元気を取り戻していきました。週末に家族が揃う時間ができたことも大きな要因だったと思います。次女が退院し、経過観察に入ってからは、さらに元気になり、今では元の明るい姿を取り戻しています。
家族の絆を深まった方法
この経験を通じて、家族の絆を深める方法をいくつか学びました:
- オープンなコミュニケーション:家族全員で気持ちを共有する機会を定期的に設けること。
- 家族の儀式:週末の家族団らんなど、定期的な家族の時間を大切にすること。
- 個別の時間:それぞれの子どもと一対一で過ごす時間を作ること。
- 感謝の気持ちの表現:お互いの頑張りを認め合い、感謝の言葉を伝え合うこと。
これらも当たり前のことかもしれません。忘れないよう書いておきました(笑)。
思わぬ気づき
次女の治療がなければ、私は長女とこれほど向き合うことはなかったかもしれません。その意味では、この経験には良い面もあったと感じています。網膜芽細胞腫の治療に当たったこの2年間はつらいものでしたが、家族の絆は確実に深まりました。
今後に向けて
もちろん、このような困難な経験は二度と味わいたくありません。今の幸せが続くよう、日々を大切に過ごしていきたいと思います。同時に、この経験を通じて得た家族の絆を大切にし、これからも家族全員で支え合っていきたいと考えています。
まとめ
網膜芽細胞腫の治療は、患児だけでなく家族全体に大きな影響を与えます。特に、きょうだいへのサポートは見落とされがちですが、非常に重要です。私たちの経験が、同じような状況にある他の家族の参考になれば幸いです。
きょうだいへのサポートに完璧な答えはありませんが、常に気にかけ、できる限りの愛情と時間を注ぐことが大切だと学びました。また、困難な状況でも、家族の絆を深める機会として前向きに捉えることで、より強い家族関係を築くことができるのだと実感しました。
この経験を通じて、私たち家族はより強くなりました。今後も、お互いを思いやり、支え合いながら、幸せな日々を過ごしていきたいと思います。同じような状況にある方々に、この記事が少しでも希望や勇気を与えられれば幸いです。